CBニュースより転載
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17493.html
厚生労働省は8月4日、第4回「発達障害者施策検討会」(座長=市川宏伸・東京都立梅ヶ丘病院院長)を開催。今後の発達障害者支援の方向性について議論が行われた。
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障害児支援、地域格差を懸念
発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群といった広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)など低年齢で現れる脳機能の障害。 2005年4月に発達障害者支援法が施行され、支援の対象となった。通常の学級に在籍する発達障害の児童は6.3%(文部科学省調べ)とみられている。
検討会は同法施行以降初めて、発達障害者支援の全般的な評価を行うもので、今回は▽支援手法の開発▽人材の育成▽地域支援体制の整備▽情報提供・普及啓発―について今後の方向性のプランが示された。
発達障害は個々の当事者や家族の状況がそれぞれ違うため、きめ細かい支援が求められている。支援手法も、客観的に検証した上で普及させるほか、青年期・成人期での生活支援のモデルが十分に確立していないことから、この時期の支援モデル確立を重点的に進める方針が示された。
発達障害者支援の人材の養成・研修では、内容の統一性や研修成果の活用が十分でなかったことから、標準的なテキストやマニュアルを作成し、研修に利用することが提案された。また、支援に取り組む施設で、医師や専門的な支援を行う人材に実地研修を行うことも示された。経験者が、発達障害児の子育てを現在している親の相談に乗るペアレントメンターの養成についても検討する。
地域支援体制の整備では、発達障害者やその家族に対し、保険、医療、福祉、教育、就労などの面の支援が円滑に行われるために、都道府県などが設置している発達障害者支援センターの職員が必要に応じ、市町村の担当部署に対して、発達障害者の支援計画の作成と実施についてサポートすることが提案された。
国の就労支援としてハローワークの体制を強化するほか、地域障害者職業センターで試験的に行われている「発達障害者に対する専門的支援のカリキュラム」の全国実施に向け、障害者職業カウンセラーの増員など体制整備も検討する。
情報提供・普及啓発では、発達障害についての誤解や偏見から支援に結び付かない場合や、相談窓口の周知が不十分なことから相談につながらないケースもあるため、厚労省の発達障害情報センターの機能を強化するとともに、文科省所管の独立行政法人が設置している発達障害教育情報センターと連携しながら、必要な情報の収集、分析、発信が行える体制の強化を図るとした。
今後の方向性についての報告を受け、出席者からは発達障害者には離職・転職を繰り返す人が目立つことなどが指摘され、支援は子どもの時期だけに着目するのではなく、より長いスパンで考えるべきといった意見が出た。
検討会は今回の意見をまとめ、18日に第5回会合を行う。
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