2010年11月15日月曜日

子育てひろば全国セミナー 第二分科会 気になる子どもへの対応について

せっかくなのでWEBで公開。
体裁はめちゃめちゃです。ご勘弁を
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第二分科会
コーディネーター 恵庭市
発表者 つばさ、りとるきっず
講師 川田準教授
(帯広つばさ)
保育所、児童デイ、知的児通園との複合施設内に支援センター型として実施
ひろばの取り組み広げるため少人数の予約、予約なし、乳児のみ等の対象者を分けてひろばを実施。
目指す方向性(6項目、資料参照)
個性を尊重(相手を受け止めることが個性を尊重すること。母子、支援担当者ともに)
場面によって個別配慮(ほんの少しが子育て支援。しかし人によってサポートの種類や回数、期間が異なる)
事例紹介
 2歳4ヶ月の児童への関わり。母親が育児に困難な時期(流産、転居)を挟み児童に充分な甘えを経験させてあげることができず、児童に愛着関係が希薄。母親の元に戻すことを目標とし、広場内で関わり。一方で、母親の悩みをありのまま受け止めながら支援
 1歳の児童への関わり。他動傾向のある児童。他の児童との関係もあるため、児童に対しては行動を抑制するのではなく、気持ちを切り替えるような関わり。療育につなげるため保健師とも事前に連携していたが、1歳6ヶ月健診はクリアしてしまったため、母親へのアプローチ方法を工夫。(母親のこれまでの子育て内容や気持ちを丁寧に聞きながら、療育に向けて後押し)
大事にしているコミュニケーションの段階(資料参照。特に4番を重視。ひろばへの参加を継続してもらえることで、様々な支援も可能に)
対応時の留意事項~支援センターの役割明確化(あくまで子育て支援として)、子どもを理解するときの視点を明確化(何が違和感?何が気になる?)

(石狩りとるきっず)
事例紹介
事例1~保護者が気付いていないケース~親へのアプローチ、療育機関につなげる働きかけ
事例2~保護者が子どもの問題を隠しているケース。気になる児童であったがすでに療育機関活用中であったことが判明。母親の気持ちを尊重する関わり。
事例3~自閉症と受容する母親のストレス解消の場として利用。仲の良い友達ができたが、その友達が保育園入園により参加しなくなることで、ひろばに来所しなくなった。~失敗例として紹介。とけこめるような雰囲気づくり、利用者の求めているものを提供できるようさらに心がける必要性あり。
スタッフは職員2名と登録ボランティア10名で運営。ミーティングを毎月1回実施。各種研修にも積極的に参加10代のベビーシッターボランティアの受け入れ(毎週土曜日)養成講座受講者を対象。将来の子育てに向けて
ひろばではママカルチャーやストレッチ等様々な取り組みを毎月実施。母親の息抜き、趣味作り、自分磨き、人生設計に役立ててもらう取り組み。リフレッシュすることで子どもと向き合えるきっかけづくり。くるりんチェスト(子ども服のリサイクル)を実施。2009年からスタート 550着の回転、会員以外も利用可。母親は服を見るのが好き
おしゃべりの場として。友人やスタッフと話すことでストレスの解消や悩みを解消する場として機能。ひろばに来ている親子の気持ちに共感し、寄り添ってあげることが必要

(川田氏)
父親をどのような位置づけとしているか
 つばさ~赤ちゃん広場、土曜日開催、父親の参加も少しあり、平日開催としてからは参加は少なめ
 リトルキッズ~土曜は父親参加を狙いとしたプログラム開催
カンファレンスは行っているか
 つばさ~場合によってはカンファレンス実施。療育機関のかかわりももてるように取り組み。市内に6センターがあり頻度は少ない
ボランティアの活用について
 つばさ~守秘義務意識して、効果的に活用

会場からの質疑
(北広島市)周りの母親の協力依頼どのようにおこなっているか
つばさ~動きの早い子がいるときは、子ども同士だけにならないように。年齢に応じた特徴を説明した後、親の積極的な関わりを求める。場面の変わり目で崩れてしまう児童は、事前に母親に見通しを説明、場合によっては、その時だけ別の場所で遊べるような配慮を実施。
(札幌市 ちあふる西)父親参加増えてきている。4~5組/週。育休、夜勤明け、週末など。母親のリフレッシュのためにも積極的な参加の働きかけを行っている。
母親間のトラブル(子どもが叩くなど)どのように対応を
 キッズ~相手の親に事実伝える。当事者同士で解決できるような仲立ちを行う。
 つばさ~まずはうまく間に入れなくて申し訳ないと双方の親に伝える。その後個別対応。子どもにもわかるように関わり
(札幌市 ちあふる清田)母親も困り感あると感じる。周りの親に事前に伝えることも必要かと。
(つばさ)先の見通しを伝えると母親が主体的に動くようになる。また自身の子どもに対してもその手法を活用するようになり効果的と感じる。
(恵庭市)サンデーパパの取り組み。母親の参加促しやすい。母親のかかわり方を変えるきっかけにも

川田氏講演
島根で公立では全国初の特別支援学校の選考課程(2年間)が開始となって5年目。人間関係で躓き就職に失敗するという例多いため「自分づくり」を支援の中心としている。
特別支援の講演を行うと全国ですぐに定員充足。感心が高い。生きづらい環境にあるということか。
感じをを外に出しにくい子、経験談をすぐに外に報告しない子など様々な子がいる。一般的な育ちのイメージで固定しないこと。
困難性を早く見つけ早く専門家につなぐという風潮、よろしくない。
大人の関わり方が子どもにもすぐに影響。どろなげを行う子の例。危ないと止めるだけでは周りの子がその行動を否定的に受け取る。その子の思いをかなえてあげるような関わり必要。大人の声掛けで子どもの受け取りは柔軟に変化。配慮が必要。
つばさの10か条。一般的にはすぐに専門家につなぐところにいってしまいがちだが、「つながっていることを大事にする」ところなど興味深い。
エンゼルキッズの2人目の事例の母への対応。ひろばに何を求めているかを大切にするところは重要。
世の中は評価社会。常に評価にさらされて、親を丸ごと受け入れてくれるようなところがほどんどない。ここは広場の重要な役割。これを考えずに事業だけを増やしてもうまくいかない。

ひろばには様々な機能がある
●受容される場としての機能(親が潜在的にもっている殻があるかもしれない。変わりたいという気持ち、ぐるぐる回る現実)
●発達を促す場としての機能(専門用語で簡単に評価しない、その子の良いところを大切にするような言葉遣い心がけを)
●つなぐ機能(小さなつなぎ、大きなつなぎあり。いきなり大きなつなぎにしない)
●大人としての楽しみを増やす場(父親の関わりにより、母親が子どもから離れることの2つの意味。自身の楽しみと一度離れることで子どものことを再確認できる)父親は無目的では関わりにくい。役割を求めると動きやすい。母親とは異なるチャネル、子どもとのつながり方がある。

発達段階、本当は多様。社会環境が本来の能力の評価をかえてしまうことも。エフェ族の子の例。3歳で火や刃物が使えることが期待されている社会。世界的には一定年齢になるまで火や刃物を使わせない社会はむしろ少数。反抗期、いやいや期は先進国のみの現象。自主性が育ってくる年齢において、活躍・期待される環境があるかどうかにより、「反抗」「自主性」の評価が変わってしまう。
発達的視点。機械的な見方が一番の阻害要因。時間は一方向のみに推移。将来はだれにもわからない。「タテ発達、ヨコの発達」。新しいことができるようになる(タテ)ばかりが求められがちだが、同じことが他者の前でもできるようになる、人間関係や社会性の能力が高まること(ヨコ)は評価されにくいし保障されていない。親もゆったり見ないと気が付かない。ばんそうこ技術。上へ上へと発達することは、新たな苦しみが生ずることもある。
昆虫の変態。人間は外見上はあまり変わらないが内面は昆虫のような変態(質的変化)がある。発達は階段状ではなく波状。「内向きの変化の時期」「外向きの変化の時期」がある。「内向きの時期」は停滞ではなくは発達の中にあらかじめ組み込まれているもの。その時期は社会の受容が必要な時期。そのように評価すべき。

会場からの意見、質疑
(山形県)気になる子、親にどうつたえるべきか。
(香川県)障害のある子について、周りの子にどのように伝えるべきか
(千葉県)療育機関へのつなぎの事例紹介
(白老町)気になる子、親が気が付いていない、必要と感じていない時どう伝えるべきか。
(北斗市)障害のある子の送迎なども実施。子どもについて配慮が必要な点など情報収集したいが、親自身も把握していない・受容していない場合あり。どのように収集すべきか。
(高松市)商店街の中でひろば実施。次につながるよな働きかけ大事にしたい。
(釧路市)子育てカフェの実施例紹介。親がのんびりできる場の提供を目的として、要望があって初めて相談対応を行うようにしている。

(リトルキッズ)
入会費をもらって運営。自分達で居場所づくりしてもらえるように働きかけ。
気になる子、健診の場など活用してはどうか。周りの子どもに対しては、いろいろな子どもがいることをわかってもらうような対応が必要。
(つばさ)
訪問型の事業実施。「子どものことをもっとよく知りたいので保健師に相談してみたい」という声かけなどどうか。
(療育的な関わり方を)遊びにして組み込んでいきたいような時には、専門家のアドバイスは違った観点からの意見となるので参考になると感じる。
親との関わり、うまくいなかった例も多くある。相手に伝える前に、どれだけ相手の気持ちを聞いたかが良い関係作りの前提と改めて気付いた。
親の気持ちを引き出すためには、自分が子どもに対して感じたことをそのまま親に伝えて、共感を引き出すような働きかけを根気強く実施。一年かかったようなこともあり。
(川田)
子育てに専門家が必要とされたのはいつころからなのか。専門家といわれる人間もできることは非常に少なく、限定的。可能な期待感をいだくべきでない。
会場からの問いは簡単に答えられるようなものではない。様々なケースがあり、対応も様々。
生きることの中心的な部分は、人生を一緒に生きてくれる人としか共有できない。学生とのかかわりの例。とことん付き合って初めて理解できるものもある。それは子どもに対しても、親に対しても同じ。ひろばはそのような場であるべき。迷っても迷っても一番大事な役割は守って欲しい。

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