2009年10月5日月曜日

秋の読書2冊



紀伊国屋で平台に並んでいるのを見て、面白いかな?と思いBOOKOFFで購入。

脳ものSFだと思い読み始めたが、設定にややそれらしきものがあるものの、殺人ミステリーものだった。
内容としてはそれなりにおもしろかったが、最後は何度もちゃぶ台をひっくり返すような展開となり終了。やっぱり自然が一番?





もう一冊は歴史もの。新総理の提唱する東アジア共同体を進めていくためには、まず日本側が先の戦争に伴う様々な事柄をもっと国民全体で議論し、考え方をきちんと整理しないとうまくいかないだろう。

戦争を知らない世代としては、その辺りの知識をまず押さえていくことが肝要。アメリカ盲従という「わかりやすい(思考停止した)」外交では多極化した時代を乗り切れない訳であり、地方公共団体としても何かにつけお付き合いの増えるであろうお隣さんに恥ずかしくない知識は持っている必要がある。

そもそも大陸へと勢力拡大を行ったのは、西欧各国のように利権を求めてということではなく、安全保障の観点からドイツのローレンツ・フォン・シュタインが提唱する「利益線(国土の存亡に関係する外国の状態)」を朝鮮半島に置くことを目的としていた。第1次世界大戦時に日英同盟を根拠にドイツの植民地であった南洋諸島を奪ったのも同じ理由からである。

ここまでは帝国主義の流れに日本も乗ったというところだが、満蒙の扱いをめぐって対外的に主張している内容と国内向けに主張している内容に齟齬が生じ始める。さらに外交では中国の方が上手であったことから国際社会において次第に袋小路に追い込められていく。
さらに、大正時代に国内政治が迷走し国民本位の政策を実現できなかったときに、本来民主主義のプロセスにかかわるべきではない勢力が強くなりすぎ、結果、停戦や終戦のチャンスを逃しまくっていたというのが実態のようだ。

これを「日本も被害者だ」と主張するのはいかにも的外れというか負け犬の遠吠えとでも呼ぶのか。

いままで見てみぬ振りをし、ないがしろにしてきた事項を一つ一つ真摯に解決していかないといつまで経っても2流、3流の国から抜け出ることができないと感じた。


高校生向けの授業をまとめた本であるが、かなりレベルが高いと感じた。しかしこのレベルの知識を国民が皆共有することが議論への第一歩につながると思う。

amazonより

内容紹介
かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。
世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。

世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた。

その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。

だからいま、高校生と考える戦争史講座。
日清戦争から太平洋戦争まで。講義のなかで、戦争を生きる。

*

生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、自分が満州移民として送り出される立場であったならなどと授業のなかで考えてもらいました。講義の間だけ戦争を生きてもらいました。

そうするためには、時々の戦争の根源的な特徴、時々の戦争が地域秩序や国家や社会に与えた影響や変化を簡潔に明解にまとめる必要が生じます。その成果がこの本です。……本書「はじめに」より

◆日本だけでなく、世界の人々がなにを考え、どのような道を選択したのか、 かつての人々が残した言葉をたどりながら、詳しく鮮やかに紐解いてゆきます。縦横無尽に「戦争」を考え抜く。歴史の面白さ・迫力に圧倒される5日間の講義録◆

内容(「BOOK」データベースより)
普通のよき日本人が、世界最高の頭脳たちが、「もう戦争しかない」と思ったのはなぜか?高校生に語る―日本近現代史の最前線。

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